vol.1 プロローグ
皆さんこんにちは。ファンルーツも創設21年を迎えました。長いようであっという間に過ぎた気がします。これまで多くの企業、団体、指導者仲間、保護者、教育機関の皆さまなど、サッカーに関わる多くの方々と出会い、支えて頂いたからこそ継続できました。皆様には心より感謝申し上げます。
そしてなによりも、これまでファンルーツとして1万人を超える子どもたちの成長に携わらせていただいたことは、我々として大きな大きな財産となってます。これらの経験を通して培った我々の考えをここで伝えていくことができればと思い、FUNROOTS EYEというコーナーを始めるに至りました。
定期的に投稿していきますので、ぜひお時間のある時にでも一読いただければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。
コーチに必要なこと
育成年代に携わるサッカーコーチの責任は大きなものです。特ににサッカーの世界に足を踏み入れたばかりの、キッズ年代・ジュニア年代を指導しているコーチはなおさらです。
子どもたちの可能性は計り知れません。一時期パッとしなかった選手が才能が急に開花したり、逆に突出していた選手がその後、期待以上に成長できなかったりというケースはよくあります。コーチに求められるのは、その選手たちの「芽」をつぶさないようしながら、サッカーに夢中になる環境を作ることではないでしょうか。
なにごとでもそうですが、第一に楽しむこと、好きであることが大切です。そこからすべてがスタートするといっても過言ではないでしょう。そして、その心を持つのが早いに越したことはありません。つまり、なるべく早いうちにそういった心を持つ環境を作る必要があるのです。このような「心」を持てば、中高校生になったときにやってくるであろう「辛い、厳しい時期」も乗り越えることができるでしょう。
キッズ・ジュニア年代のほとんどのコーチはポランティアとしてチームに関わっていると思います。サッカー先進国も同様に、それを生業としている人は少ないものです。例えば、ヨーロッパの名門クラブであっても、ジュニア年代のコーチのほとんどがアルバイトコーチ、もしくはポランティアコーチです。チームとフルタイム契約しているコーチはトップチームに近いU19やU21などのカテゴリーのみなどとごく僅かです。それ以外のコーチはほかに仕事を持っているのはよくあるケースです。これは日本に近い環境かもしれません。
これは決してジュニア年代コーチが軽視されている、質が低いということではありません。契約形態に関係なく、どの年代のコーチたちも育成年代の選手に携わることに誇りに思い、選手に対して常に真剣に向き合っています。それは国民、クラブ、行政がそのような環境を作っている。ひとつの現場の問題というだけでなく、多くの要素が集結し、サッカー強豪国が成り立っているものです。
近年、日本サッカーも各世代の国際試合で結果を残し、選手が海外で活躍するのが当たり前になってきています。しかし、日本のサッカーが本当の意味で世界の強豪国の仲間入りを果たすか否かは、いかに底辺を整備、充実させ、安定できるかにあります。これを支えているのが育成年代のコーチたちです。つまり日本サッカー躍進のカギはコーチが握っていると言っても過言ではありません。
次回からは子どもたちの指導においてどのようにベクトルを設定すべきか、どのように考えているかを伝えていければと思います。
2024.04.27 by Jun Hirano / Funroots